美味しい珈琲のいれ方
美味しい珈琲のペーパードリップのやり方
ペーパードリップは、家庭でも本格的な珈琲を楽しめる最も手軽で奥深い抽出方法の一つです。道具さえ揃えば誰でも始められますが、「ただ淹れる」だけでなく「美味しく淹れる」ためには、いくつかのポイントとコツを押さえる必要があります。ここでは、初心者の方でも美味しい珈琲が淹れられるよう、具体的な手順とその理由、よくある失敗と対策まで詳しくご紹介します。
1. 用意するもの
ペーパーフィルター
ドリッパー(台形型または円錐型)
サーバーまたはカップ
新鮮な珈琲豆(焙煎後2週間以内が理想)
コーヒーミル(豆を挽くため)
スケール(できればタイマー付き)
ケトル(細口がおすすめ)
温度計(あれば便利)
お湯(90〜93℃)
2. 珈琲豆の選び方と挽き方
美味しい珈琲を淹れる第一歩は、良質な珈琲豆の選定です。焙煎後まもない豆(1〜2週間以内)を使うと、香りや風味が豊かです。保存は密閉容器に入れて冷暗所へ。
挽き方は「中細挽き」が基本。粗すぎると薄く、細かすぎると苦味が強くなります。手挽きでも電動でも、できるだけ均一に挽くのがポイントです。
1杯(約150〜160ml)に使う豆の量は 10g〜12g が目安。しっかり量りましょう。
3. お湯の温度と準備
お湯の温度は 90〜93℃ が最適。沸騰したお湯を少し冷ますことで、抽出にちょうど良い温度になります。温度が高すぎると苦味が強くなり、低すぎると味がぼやけます。
また、ペーパーフィルターをセットしたら、お湯でフィルターを湯通しして紙の匂いを取り除き、同時にサーバーを温めます。湯通し後のお湯は必ず捨ててください。
4. ドリップの手順
(1) セット
ドリッパーにペーパーをセットし、挽いた珈琲粉を均一に入れます。
表面を平らにならすことで、ムラのない抽出ができます。
(2) 蒸らし(30秒)
タイマーをスタートし、粉全体がしっとりする程度にお湯(粉の2倍ほど)を注ぎます(例:粉12g → 約24gのお湯)。
全体に優しくゆっくり注ぎ、30秒間蒸らします。
この工程でガスが抜けて、後の抽出がスムーズになります。
(3) 本抽出(1分30秒〜2分)
蒸らし終わったら、中心から「の」の字を描くようにお湯をゆっくり注ぎます。
一度に注ぐ量は50gずつなど、数回に分けるのが基本。
ドリッパーの中の湯が完全に落ち切る前に次を注ぐようにし、お湯が切れないように連続性を保ちます。
全体で 抽出時間は2分半〜3分 が目安です(蒸らし時間含めて)。
5. 味の調整
抽出が終わったら、サーバーを軽く揺すって混ぜ、均一な味にしてからカップに注ぎます。
味が薄いと感じた場合は:
挽き目を細かくする
豆の量を増やす
お湯の温度を少し上げる
味が濃すぎる、苦味が強いと感じた場合は:
挽き目を粗くする
抽出時間を短くする
湯温を下げる
6. よくある失敗とその原因
失敗例 主な原因 苦すぎる 挽きが細かすぎる、湯温が高すぎる、抽出時間が長すぎる 薄い・物足りない 挽きが粗すぎる、豆が少ない、湯温が低すぎる えぐみがある 蒸らし不足、抽出の最後までお湯を注ぎすぎる 味がばらつく 粉のならしが不均一、注ぎ方が雑。
7. 最後に
ペーパードリップは、豆の個性や焙煎の特徴を引き出す繊細な抽出方法です。一度で完璧を求めるよりも、毎回少しずつ調整しながら、自分の好みの味を見つけていくことが大切です。
また、淹れている時間も「珈琲の香りを楽しむひととき」として味わえば、生活の中の豊かな時間となります。ぜひ、自分だけの美味しい一杯を見つけてください。