2025/08/26 22:04
吉岡珈琲焙煎所のおすすめ3選
吉岡珈琲焙煎所は、地域に根ざしながらも世界の産地と真摯に向き合う姿勢を大切にしてきました。単なる「豆の仕入れ」と「焙煎」ではなく、それぞれの豆が持つ個性をどう生かし、どのように組み合わせることで一杯のコーヒーに仕上げるのか。そして生まれたのが、今回ご紹介する「満月ブレンド」「バモスブレンド」「岡山ブレンド」です。
それぞれのブレンドには明確なコンセプトがあり、焙煎の加減や豆の組み合わせにこだわっています。ここでは3種類のブレンドを詳しく解説し、それぞれがどのようなシーンに合うのかもお伝えします。
満月ブレンド ― コクと深みを追い求めた王道の一杯
満月ブレンドは、吉岡珈琲焙煎所の看板的な存在とも言えるブレンドです。その名の通り、夜空に浮かぶ満月のように丸みを帯びた味わいと、心を静かに落ち着かせる深みが特徴です。
このブレンドに使用されている豆は、主に中南米産のコーヒーを軸としています。中南米の豆は酸味と苦味のバランスが良く、甘みやナッツ系の香ばしさを持ち合わせているため、ブレンドの基礎を作るには最適です。そのベースにアジア産の力強い豆を加えることで、奥行きのあるコクを演出しています。
焙煎度合いは「中深煎り」から「深煎り」にかけてのレンジ。深煎りに寄せすぎれば苦味が支配してしまいますが、絶妙な中深煎りの調整により、口当たりのなめらかさとコクが共存する味わいに仕上がっています。
飲み口はしっかりとした苦味がベースにありながら、後味には柔らかな甘みが残ります。まるでカカオやビターチョコレートを思わせるニュアンスがあり、ケーキやチョコレート菓子と合わせると抜群の相性を発揮します。夕食後のひととき、あるいは夜にゆっくりとした時間を過ごしたいときにおすすめの一杯です。
このブレンドの魅力は「安心感」にあります。毎日飲んでも飽きず、むしろ日々のリズムを整えてくれる。職人としても、バランスの取れたブレンドを仕上げるには高度な技術が必要であり、豆ごとの個性を理解し尽くしているからこそ実現できる味わいと言えるでしょう。
バモスブレンド ― 力強さと情熱を感じる深煎りブレンド
「バモス」とはスペイン語で「行こう!」という意味。その名の通り、バモスブレンドは力強さと前進するエネルギーを感じさせる一杯です。
このブレンドの中心となるのは、グァテマラ産の深煎り豆です。グァテマラの豆は標高の高い地域で育つため、酸味と甘みが際立ち、さらにしっかりとしたボディ感を持っています。その豆を深煎りにすることで、酸味は穏やかになり、代わりにダークチョコレートやスモーキーな風味が強調されます。
そこに中米や南米の豆を少量ブレンドすることで、苦味一辺倒ではなく、複雑さと余韻の広がりを生み出しています。焙煎度は「フレンチロースト」寄りの深煎りで、濃厚な味わいを求める人にぴったりです。
口に含んだ瞬間、まずは力強い苦味が押し寄せます。しかし、飲み進めるうちにほのかな甘みが舌の奥に残り、重厚でありながらも飲みやすさがあるのが特徴です。アイスコーヒーとして淹れても非常に映えるため、夏場にキリッと冷やして飲むのもおすすめです。
バモスブレンドは、気持ちを奮い立たせたいときや、集中力を必要とする場面で力を発揮します。朝の目覚めの一杯や、仕事や勉強に取りかかる前に飲めば、心に火を灯してくれるでしょう。まさに「バモス(行こう)」という名前にふさわしい、前向きなエネルギーを持つブレンドです。
岡山ブレンド ― 地域をイメージした2種類の味わい
吉岡珈琲焙煎所が地元・岡山をイメージして作り上げたのが「岡山ブレンド」です。地域の温かさや自然の豊かさ、人々の穏やかな気質をコーヒーで表現しようと試みた、いわば「土地に根ざした一杯」と言えるでしょう。
岡山ブレンドは「マイルド」と「アロマ」という2種類のパックに分かれています。同じ岡山ブレンドでありながら、まったく異なる個性を持っているのが特徴です。
マイルドブレンド
マイルドブレンドは、その名の通り柔らかな口当たりが魅力です。焙煎度は中深煎りで、しっかりとしたコクの中に丸みのある甘さが広がります。特に注目すべきは後味で、ほのかな甘みが長く残るため、飲み終わった後の余韻が心地よいのです。食後の一杯に適しており、和菓子やフルーツタルトなど、甘さを引き立てるスイーツとも相性抜群です。
この味わいは、まさに岡山の穏やかな風土を表していると言えるでしょう。急がず、ゆったりとした時間を大切にする生活に寄り添うブレンドです。
アロマブレンド
一方のアロマブレンドは、華やかな香りと軽やかな飲み口が特徴です。焙煎度は中煎りで、豆本来の香りや酸味を活かすように仕上げています。フローラルな香りやシトラスを思わせる爽やかさがあり、飲んだ瞬間に明るい気分へと導いてくれるでしょう。
口当たりが軽やかで、朝の一杯や来客時にも最適です。特に香りを重視する方には強くおすすめしたいブレンドです。華やかでありながら上品で、飲む人に「特別感」を与える一杯となっています。
マイルドとアロマ、それぞれ対照的な個性を持ちながらも、共通しているのは「岡山」という土地を映し出している点です。穏やかさと華やかさ、その両面を味わえるのが岡山ブレンドの魅力です。
まとめ ― 3つのブレンドが描く世界
吉岡珈琲焙煎所の3種類のブレンドは、それぞれが異なる個性を持ちながら、いずれも丁寧な焙煎と豆選びの哲学に裏打ちされています。
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満月ブレンド は、深みと安心感のある王道の味わい。
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バモスブレンド は、力強くエネルギッシュな深煎り。
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岡山ブレンド は、地域性を映し出す「マイルド」と「アロマ」の二面性。
どのブレンドも一杯ごとに異なる物語を語りかけてくれる存在です。その日の気分やシーンに合わせて選ぶことで、コーヒーの楽しみ方は何倍にも広がります。
吉岡珈琲焙煎所が目指しているのは、単に「美味しいコーヒー」ではなく、「人と時間に寄り添うコーヒー」です。ぜひ3つのブレンドを飲み比べて、それぞれの魅力を感じ取ってみてください。
