2025/11/08 16:17


コーヒーを水筒で美味しく

吉岡珈琲焙煎所では、ご自宅や外出先でも「自分の一杯」を楽しんでいただけるよう、日々ローストと抽出研究を重ねています。最近は、コーヒーを水筒に入れて持ち運ぶ方が増えており、“淹れたての味をそのまま外へ持っていく”という楽しみ方が身近になりました。ここでは、コーヒーをより美味しく携帯するためのポイントを、焙煎所の視点からまとめます。

1. 水筒でコーヒーを持ち運ぶ魅力

淹れたての香りと味わいをそのまま外に連れて行けるのが水筒コーヒーの大きな魅力です。
その日の気分で豆を選び、好きな焙煎度・抽出で仕上げた一杯を持ち歩くことで、コンビニやカフェに頼らずとも「自分仕様の味」がどこでも楽しめます。温度が変わりにくい水筒なら、休日のドライブや仕事の合間でも香りと甘みが持続します。

2. 美味しさを左右する水筒選び

当店でも試験的にいくつかの水筒で保温テストを行いましたが、味の残り方は素材と構造で大きく変わります。

・ステンレス真空断熱構造
最も保温力が安定。温度が落ちにくいため風味も長持ち。

・内側にコーティングがないタイプ
コーヒーの香りを素直に保ちやすく、味移りも少ない。

・シンプルで洗いやすい形状
抽出豆に含まれる油分は落ちにくいため、パーツが少ないほど衛生的で味の劣化も防げる。
水筒自体も「抽出器具の延長」と考えると、納得できる一本が選びやすくなります。

3. 水筒に注ぐときの注意点

吉岡珈琲でご案内している水筒向けのポイントは次の通りです。

・抽出直後の高温のまま密閉しない
香りがこもりやすく、酸味や雑味が増えることがあります。10〜20秒ほど蒸気を逃がすと風味が整う。

・ミルク入りは長時間向きではない
成分が変質しやすく、香りがにごるためストレートを推奨。

・前日の湿気は残さない
水筒の内部やパッキンのわずかな水分でも香味に影響します。完全乾燥が基本。
少しの手間で、仕上がりが大きく変わります。




4. 水筒で「美味しい」を保つための抽出コツ

焙煎所として特におすすめしているのは、風味がクリアに出る抽出です。

・挽き目は中挽き〜中細挽き
濃すぎる仕上がりは保温中に苦味を強く感じやすい。

・湯温はやや低めでも良い
90〜92℃前後の丁寧な抽出が甘みを引き出し、水筒内での風味の変化も穏やか。

・パッキンの定期メンテナンス
コーヒーの油分は香りの蓄積につながるため、長く使う場合は定期交換がおすすめ。
水筒に入れる前提で仕上げると、普段よりバランスの良い味になります。

5. 吉岡珈琲がおすすめする活用シーン

水筒コーヒーは、日常のあらゆる場面で活躍します。

・朝の通勤時間に落ち着いて香りを楽しみたい時
移動中にお気に入りの豆の余韻を楽しめる。

・アウトドアやドライブのお供に
寒暖差がある環境でも、甘みや香りの変化が少なく安定する。

・仕事の休憩時間を整える一杯に
自分のペースで飲みたい方にとって、最も安定して楽しめるスタイル。

水筒は、ただの持ち運び道具ではなく「お気に入りの一杯を最後まで美味しく保つ器具」です。
焙煎所としても、水筒コーヒーが日々の楽しみのひとつになれば嬉しく思います。

まとめ

吉岡珈琲焙煎所では、水筒に最適な焙煎度や豆選びのご相談も承っています。好みの味わい、飲むシーン、体質に合わせた「あなた専用のコーヒー」を一緒に提案いたします。日々の生活に寄り添う一杯が、もっと美味しく、もっと心地よくなるように。店頭・LINE・オンラインショップにて、いつでもお気軽にお声がけください。